今日もひたすら無言な朝永さん。
数駅過ぎると「次で降りるぞ」と言ったが、急激に不安に駆られた。

だって降りる駅にある服屋さんは、Tシャツ一枚でも三千から五千する、ちょっとお高めのお店ばかりだから。

朝永さんの後ろをついて行くと、そこには予想通りの大きな商業ビルが現れた。

私はTシャツ一枚千円以下の庶民的なお店で良いんですが!?


「私、お金ありませんから!」

漸くそこで抵抗をみせる私。


だが朝永さんは私に振り向きもせずにズカズカ突き進む。
私は焦って追い掛ける。


「さっさと選べ」


一階のまず出会った服屋さんの前。
怖すぎる顔と眼差しで言われ、私はやむなくお店に入る。