善子が成仏してから一週間が経った。
依奈は精神的にヘトヘトになりながら、母親の車に乗っていた。

あれから一週間の間、依奈は部屋を暗くしたりして呼び寄せようとしたが、章太との接触は無かった。静華の真意は未だに聞き出せず、依奈は悩んでいた。
打ち明けるべきなのかそれとも隠すべきなのか。

静華を疑いたくなかった。ハッキリと断言した静華には疑わざる得なかった。何かを企んでいる、そうとも思えてしまう。


そして、母親である千澤 花梨はようやく精神的にも落ち着いてくるようになり、今では家に戻ってきている。
この一週間は葬式の連続。依奈は流石にキツかった。

今日は裕子の葬式だった。静華もやはり参列していたが、美苗は相変わらず来ていない。連絡も途切れている。
一度家に訪問したが、インターホンだけが鳴り響くだけだった。


そんな美苗を気がかりに思っているが、少し時間があると依奈はやはり章太のことを思い出してしまう。


章ちゃん...今どこにいるの?....本当に...あれが成仏なの?....善子さんとの違いが全くわからない...


暗い顔を無意識ながら作っている依奈に、花梨は気付き、明るい音楽をかけた。


「依奈、大丈夫?」


「うん大丈夫....お母さんも大丈夫なの?無理してない?」