「.......え?」


静華の言葉に依奈は耳を疑った。章太と善子の消え方は明らかに違った。善子のあの姿は成仏したと考えてもいいが、章太の消え方は成仏とは言いにくかった。

だが、静華曰く章太も成仏をしたらしい。それでも依奈は章太が成仏したとは考えにくかった。


「あ、ごめんなさいね依奈。ちょっと被っちゃったわね。それで何が聞きたかったの?」


「え?あ、う...うん....善子さんと章太ちゃんが...成仏じゃなくて、どこかほかの所へ行っちゃったとかそういうのはないの?」


「えぇ。それは絶対にないわ。ほかの所へ行くとしても綺麗にオーラは取れない。あなたに付いているオーラはないわ。
二人とも、空の上で楽しく暮らしているといいわね。」



「....うん、そうだね。」


幽霊の世界は未知の世界。なにがあっても不思議じゃない世界。
初めてその世界に触れる依奈だが、これだけは確信していた。


....章ちゃんは成仏じゃない...まだ成仏してない....
静華...あなたは本当に章ちゃんが成仏したと思ってるの?...それとも....嘘をついているの?


静華の心の内が読めなく、依奈は章太が成仏していない事を話せなかった。