3月
いつも住んでいた故郷とお別れして、

夢の都会に引っ越してきた。

こんなことを言うのはどうかなとは思うけれど、

田舎中の田舎で、最近では社会のビデオ用に

『少子高齢化』についての取材にこられるほど、

子供が少ない所だった。

だから、今年に今までずっと校長先生が頑張って伸ばしていた、

閉校と解体が行われることになったんだ。

もちろん、同じ町にすむみんなとは、

友達以上に家族のようで、毎日のように遊んでいた。

閉校と一緒に、皆はそれぞれバラバラの高校に進むことになった。

親友の依美は、同じ高校を受験したけれど、

ほんの少しだけ、学力がよかったせいで

私だけが合格してしまった。

そんなこんなで、ここにやって来たんだ。

夢の高校ライフ、恋愛なんかしちゃって...!

妄想が頭の中でぐるぐる渦を巻く。

そんなことよりも、私はこれから、ずっと行きたかったアニメのサイン会がある。

でも、昔から朝だけは苦手で、今日も安定の遅刻。

笑っている暇もないほど、急がなければならないくらいで。

ただ1つ、大事なことを忘れていた。

根本的にそこまでの行き方がわからないのだ。

道に迷って、スマホを見ようと取り出した時。



この時に、私の運命が大きく変化した。