そっと足音をたてないように、俺は颯人に背を向けて保健室を出る、つもりだった。 なのに。 なんで……。 「螢……」 微かに名前を呼ばれた気がした。 ゆるりと振り返ったそこには、制服の上着を掴んでいる颯人の指。 いつの間にかベッドから上半身を起こして、こっちを見ている颯人の視線にぶつかった。