「無理しないことを約束してもらえるのなら、予備の薬を前回よりも多めに出しておきます。
 頓服に出す、今よりも若干強い薬はどうしようもない時にだけ飲むように注意してください。」

 明確な答えを出さないまま、私に判断を委ねてくれたようだ。
 注意事項を言われて、次の予約の相談をする。

「次は、心配なので早めに来てください。
 一週間後はいかがですか?」

 症状が落ち着いてきて一ヶ月ペースになっていたのに、何もかもが逆行している。
 それでも最後まで如月先生は私が橘さんと会うことをダメだとは言わなかった。

 言って、欲しかったのかな。
 自分でもよく分からない。

「お大事にね。」

「ありがとうございました。」

 会釈をして病院を後にした。