溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】

多恵のように恋人がいる人を羨ましく思ったり、街中ですれ違っただけの仲睦まじそうな夫婦を見て憧れを抱いたりはする。
ひとりだということに不安になったり、時々どうしようもなく寂しくなったり、人肌が恋しくなったりもする。


それなのに、いざとなると足が竦んだように逃げ道や言い訳ばかり探してしまう。


よくないことばかり考えるのが癖になっているのか、最近は好きな人の隣で幸せそうに笑う自分の姿すらも想像できなくなっていて。そのせいで、恋愛なんてどこか他人事にしか思えずにいた。


「青山さん、大丈夫?」


ハッとして咄嗟に笑みを繕って頷いたけれど、穂積課長が困ったような顔をしていたから、私の笑顔は意味なんてなかったのだと悟る。


「ごめん。なんか、深刻な事情があるみたいだね」


謝罪されたことに驚いて、困惑したけれど……。向けられている表情からはいつもの優しい雰囲気が滲み出ていて、なんだかホッとできた。