「どうしてですか?」
体が熱を帯びていっていることを知られたくなくて必死に平静を装ったつもりだったけれど、クスッと笑った穂積課長にはすべて見透かされていたのかもしれない。
「青山さんって、うちに配属される前から彼氏いないでしょ」
なんで知ってるんですか? という疑問は、口にする前に解かれてしまう。
「それくらい、ある程度見ていればわかるよ。青山さんって普通にモテそうなのに男の影がまったく見えないから、前からちょっと不思議だったんだよ」
「別にモテたことはありませんけど、あんまり出会いがなくて……」
「それはないでしょ。合コンの誘い、断ってばかりみたいだし」
「……そんなことまで知っているんですか」
「うちの女子たち、声が大きいからね」
課長はニコニコと笑っているけれど、いつもの雰囲気とはなにかが違う。
どちらかと言えば、さっき店長さんと話していた時の話し方に近いような気がして、そのトーンには聞き慣れた柔らかさはあまりなかった。
体が熱を帯びていっていることを知られたくなくて必死に平静を装ったつもりだったけれど、クスッと笑った穂積課長にはすべて見透かされていたのかもしれない。
「青山さんって、うちに配属される前から彼氏いないでしょ」
なんで知ってるんですか? という疑問は、口にする前に解かれてしまう。
「それくらい、ある程度見ていればわかるよ。青山さんって普通にモテそうなのに男の影がまったく見えないから、前からちょっと不思議だったんだよ」
「別にモテたことはありませんけど、あんまり出会いがなくて……」
「それはないでしょ。合コンの誘い、断ってばかりみたいだし」
「……そんなことまで知っているんですか」
「うちの女子たち、声が大きいからね」
課長はニコニコと笑っているけれど、いつもの雰囲気とはなにかが違う。
どちらかと言えば、さっき店長さんと話していた時の話し方に近いような気がして、そのトーンには聞き慣れた柔らかさはあまりなかった。



