「今までずっとそうだったからです」
しまった、と思った時には、もう遅かった。
上司に過去の恋愛のことを話すなんて、どう考えたってお互いになんのメリットもないし、それ以前に知られたくない。
穂積課長だって、たいして親しいわけでも、特別目をかけているわけでもない部下から、こんなことを聞かされたって困るだろう。
「青山さんって、恋愛が苦手とか?」
「すみません、忘れてください」
「どうして?」
「どうして、って……。こんな話、掘り下げなくていいじゃないですか。それより、飲みましょう!」
ニッコリと笑って明るく振る舞ってみたけれど、それが無意味だってことはなんとなくわかっていた。
だって、穂積課長が私の瞳をじっと見つめていて視線を逸らす気配がなかったし、課長の眼差しが続きを促してるような気さえしたから。
「青山さんのプライベートって、ちょっと興味ある」
まるで独り言のようなトーンだったけれど、双眸は相変わらず動いていない。
しまった、と思った時には、もう遅かった。
上司に過去の恋愛のことを話すなんて、どう考えたってお互いになんのメリットもないし、それ以前に知られたくない。
穂積課長だって、たいして親しいわけでも、特別目をかけているわけでもない部下から、こんなことを聞かされたって困るだろう。
「青山さんって、恋愛が苦手とか?」
「すみません、忘れてください」
「どうして?」
「どうして、って……。こんな話、掘り下げなくていいじゃないですか。それより、飲みましょう!」
ニッコリと笑って明るく振る舞ってみたけれど、それが無意味だってことはなんとなくわかっていた。
だって、穂積課長が私の瞳をじっと見つめていて視線を逸らす気配がなかったし、課長の眼差しが続きを促してるような気さえしたから。
「青山さんのプライベートって、ちょっと興味ある」
まるで独り言のようなトーンだったけれど、双眸は相変わらず動いていない。



