溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】

「さっき、僕に襲われるなんてありえない、って言ったでしょ」

「あ、はい」


確かに、言った。
店長さんの軽口に対してそう答えたけれど、それは部下としてごくごく普通の返答だったと思うし、特に他意はない。


穂積課長だってそんなことくらいわかっているだろうし、心外に思われてしまうことだとは考えられない。
それに、課長に限っては本当にありえないことだろうから。


穂積課長はチャラチャラしていたり、セクハラをしたりするようなタイプではない。
嫌味を言うこともなければ、怒鳴ったりするような人でもない。

普段は癒し系で社内に敵なんていないんじゃないかと思うくらい人当たりがよくて、上司からも部下からも信頼は厚く、仕事だってできる人だ。


「青山さんの中では、僕ってそういう位置づけなんだと思って」

「はぁ……。位置づけ……ですか？」


だからこそ、課長の言葉の意図がわからなくて、思わず首を捻ってしまった。