しん、と静まり返った部屋の中には、明らかにさっきまでとは違う空気が流れていた。
小さな緊張や気遣いは必要だけれど、決して居心地が悪いわけではない。
それがこれまでの雰囲気だったのに、今はどこか空気に重さが加わっていて、張りつめているというほどではないものの、変に緊張してしまっている。
上手く言えないけれど、たぶん穂積課長は不機嫌だ。
「……。あの、課長」
「ん? なに?」
先に口を開いたのは、これ以上の沈黙に耐えられなかったから。
狭い部屋で、しかも上司とふたりきりというシチュエーションだけでも私の中ではギリギリなのに、そこに沈黙まで足されてしまったら早くも限界に達してしまいそう。
私には、多恵や二宮くんのような高いコミュニケーション能力はないし、この場を一気に明るくできるような持ちネタもない。
あるのは、〝なにもかもが普通〟という毒にも薬にもならないスペックだけだから、突然こういうのは困る。
小さな緊張や気遣いは必要だけれど、決して居心地が悪いわけではない。
それがこれまでの雰囲気だったのに、今はどこか空気に重さが加わっていて、張りつめているというほどではないものの、変に緊張してしまっている。
上手く言えないけれど、たぶん穂積課長は不機嫌だ。
「……。あの、課長」
「ん? なに?」
先に口を開いたのは、これ以上の沈黙に耐えられなかったから。
狭い部屋で、しかも上司とふたりきりというシチュエーションだけでも私の中ではギリギリなのに、そこに沈黙まで足されてしまったら早くも限界に達してしまいそう。
私には、多恵や二宮くんのような高いコミュニケーション能力はないし、この場を一気に明るくできるような持ちネタもない。
あるのは、〝なにもかもが普通〟という毒にも薬にもならないスペックだけだから、突然こういうのは困る。



