「青山さん、高い酒とかどんどん頼んでね。こいつの奢りだから、好きなだけ飲み食いするといいよ。そしたら俺は儲かるし、青山さんは美味しい思いができるし、一石二鳥だから」
茶目っ気たっぷりにウインクした店長さんに、思わず噴き出してしまう。
クスクスと笑うと、穂積課長はなんだか面倒くさそうにため息をついた。
「元康、さっさと戻れよ」
「うるせーよ」
「ほら、客が待ってるぞ」
「はいはい。邪魔者はさっさと退散しますよー」
店長さんが襖の外側に掛かっているのれんを手でさっと避けると、店内の様子が見えたけれど、恐らく向こう側からはこちらはそんなに見えないだろう。
これなら、知り合いに見られるリスクは低いはず。
そもそも、私なんてこの個室の存在すら知らなかった。
一献に来たのはまだ二回目だけれど、まさかトイレの手前にあるのれんの向こう側にこんな秘密基地みたいな個室があるなんて、ついさっきまで思いもしなかったくらいだ。
茶目っ気たっぷりにウインクした店長さんに、思わず噴き出してしまう。
クスクスと笑うと、穂積課長はなんだか面倒くさそうにため息をついた。
「元康、さっさと戻れよ」
「うるせーよ」
「ほら、客が待ってるぞ」
「はいはい。邪魔者はさっさと退散しますよー」
店長さんが襖の外側に掛かっているのれんを手でさっと避けると、店内の様子が見えたけれど、恐らく向こう側からはこちらはそんなに見えないだろう。
これなら、知り合いに見られるリスクは低いはず。
そもそも、私なんてこの個室の存在すら知らなかった。
一献に来たのはまだ二回目だけれど、まさかトイレの手前にあるのれんの向こう側にこんな秘密基地みたいな個室があるなんて、ついさっきまで思いもしなかったくらいだ。



