「あ、課長! おかえりなさい、どうでした?」
先週末のことに思考を飛ばしてしまっていると、不意に斜め向かいのデスクの二宮くんが立ち上がったから、ついその声につられるようにして顔を上げた。
彼のすぐ傍には穂積課長がいて、課長は柔らかな表情で開口した。
「松井田病院の契約、なんとか取れたよ」
「おめでとうございます!」
一瞬で周囲がワッと盛り上がり、穂積課長はあっという間に営業部の面々に囲まれた。
どうやら、昨年認可が下りたばかりの新薬の契約を取れたようで、みんなは口々に「すごいです!」や「やりましたね!」なんて言い、ほんの少し前までゆったりとしていたのが嘘のように賑やかになった。
それもそのはず。
松井田病院は、私立病院の中では歴史もある上に大きく、評判もいいことから、製薬会社がこぞって契約を取りに行こうとしているけれど……。理事長が懇意にしている製薬会社以外と契約を結ぶことは、過去十年を遡ってもほとんどないという話だから。
先週末のことに思考を飛ばしてしまっていると、不意に斜め向かいのデスクの二宮くんが立ち上がったから、ついその声につられるようにして顔を上げた。
彼のすぐ傍には穂積課長がいて、課長は柔らかな表情で開口した。
「松井田病院の契約、なんとか取れたよ」
「おめでとうございます!」
一瞬で周囲がワッと盛り上がり、穂積課長はあっという間に営業部の面々に囲まれた。
どうやら、昨年認可が下りたばかりの新薬の契約を取れたようで、みんなは口々に「すごいです!」や「やりましたね!」なんて言い、ほんの少し前までゆったりとしていたのが嘘のように賑やかになった。
それもそのはず。
松井田病院は、私立病院の中では歴史もある上に大きく、評判もいいことから、製薬会社がこぞって契約を取りに行こうとしているけれど……。理事長が懇意にしている製薬会社以外と契約を結ぶことは、過去十年を遡ってもほとんどないという話だから。



