「お前は可愛いよ」
「え?」
低く、静かに。
だけど、甘く溶ける砂糖菓子のような優しい声音でさらりと紡がれた台詞に、胸の奥がきゅうっと締めつけられる。
同じ場所でキュンと音が鳴ったような気がしたのは、きっと気のせいなんかじゃない。
そう考えるよりも早く軽快に躍り出し始めた鼓動が、どんな言葉よりも雄弁に証明していた。
〝お前〟なんて呼ばれているのに。
また、穂積課長のペースに巻き込まれているのに。
抗えないことがちっとも嫌じゃなくて、課長と見つめ合ったままの瞳を逸らす気にもならない。
真っ直ぐに向けられる視線になぜか喜びを感じて、いつの間にこんな風にされてしまったんだろう……なんていう疑問も、すぐにどうでもよくなってしまう。
穂積課長に訊きたいことは、まだたくさんあるのに……。
それ以上はなにも言わない課長の柔らかな微笑みを前にして、私はもう口を開くことができなくなってしまった──。
「え?」
低く、静かに。
だけど、甘く溶ける砂糖菓子のような優しい声音でさらりと紡がれた台詞に、胸の奥がきゅうっと締めつけられる。
同じ場所でキュンと音が鳴ったような気がしたのは、きっと気のせいなんかじゃない。
そう考えるよりも早く軽快に躍り出し始めた鼓動が、どんな言葉よりも雄弁に証明していた。
〝お前〟なんて呼ばれているのに。
また、穂積課長のペースに巻き込まれているのに。
抗えないことがちっとも嫌じゃなくて、課長と見つめ合ったままの瞳を逸らす気にもならない。
真っ直ぐに向けられる視線になぜか喜びを感じて、いつの間にこんな風にされてしまったんだろう……なんていう疑問も、すぐにどうでもよくなってしまう。
穂積課長に訊きたいことは、まだたくさんあるのに……。
それ以上はなにも言わない課長の柔らかな微笑みを前にして、私はもう口を開くことができなくなってしまった──。



