「でも、仕事は丁寧だし、ずっと真面目に頑張っているだろう」
「え?」
「丁寧に仕事をこなしたり真面目に頑張ったりするのは、当たり前のことのように思われがちだが、誰にでもできることじゃない。そういうことを継続させられるのも、俺は一種の才能だと思っている」
落とされたと思ったら褒められて、突然目の前に出された落差に瞼を瞬いてしまう。
ただ、その声音は優しくて、それがお世辞ではないということは理解できた。
「莉緒の書類はわかりやすいし、営業部のメンバーのサポートもしっかりしてくれて、みんな助かっているはずだ。いわゆるキャリアウーマンタイプではないが、莉緒はうちに必要な人間だよ」
ずるい、と思う。
冷たいように感じることを言っておいて、こんな風にさらりと褒めるなんて。
上司としての顔でいつものように穏やかに微笑む穂積課長は、あっという間に先に告げた言葉を優しく包み込んで溶かし、私の心を弾ませる。
「それに……」
その感覚に舞い上がりかけていた私は、不意に静かに零された声につられるように課長の瞳を見つめていた。
刹那、真っ直ぐな双眸に捕らえられる。
「え?」
「丁寧に仕事をこなしたり真面目に頑張ったりするのは、当たり前のことのように思われがちだが、誰にでもできることじゃない。そういうことを継続させられるのも、俺は一種の才能だと思っている」
落とされたと思ったら褒められて、突然目の前に出された落差に瞼を瞬いてしまう。
ただ、その声音は優しくて、それがお世辞ではないということは理解できた。
「莉緒の書類はわかりやすいし、営業部のメンバーのサポートもしっかりしてくれて、みんな助かっているはずだ。いわゆるキャリアウーマンタイプではないが、莉緒はうちに必要な人間だよ」
ずるい、と思う。
冷たいように感じることを言っておいて、こんな風にさらりと褒めるなんて。
上司としての顔でいつものように穏やかに微笑む穂積課長は、あっという間に先に告げた言葉を優しく包み込んで溶かし、私の心を弾ませる。
「それに……」
その感覚に舞い上がりかけていた私は、不意に静かに零された声につられるように課長の瞳を見つめていた。
刹那、真っ直ぐな双眸に捕らえられる。



