溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】

「知らなかったの？」

「知らないよ！　二宮くんから聞いたの？」

「まさか。二宮はそんなこと言わないわよ。こっちから訊けば答えるかもしれないけど」

「じゃあ、多恵はどうしてそんなこと……」

「わりと有名な話よ？　その現場を誰かが見てたみたいで、秘書課でも噂になってたし」

「そうなんだ……」


多恵の口振りから考えると、この間三人で給湯室にいた時は、川井さんはもう二宮くんに告白したあとだったんだろう。
振られているのにあんな風にグイグイいけるのはすごいと思う反面、変に勘繰られていないだろうかと少しだけ不安になった。


「二宮って、そういうことは自分から話さないけど、社内でも取引先でも人気なのは間違いないわよね。まぁ、私は絶対に恋愛対象にならないタイプだけど、莉緒となら合うんじゃない？」

「まさか！　二宮くんみたいなモテる人、私とは釣り合わないよ！」


慌てて首を横に振って見せると、なぜか苦笑を向けられてしまった。