「あ、莉緒。ちょうどよかった、今から出るところだったのよ」
帰り支度を済ませて営業部を出たところで、多恵と鉢合わせた。
彼女は、「莉緒もまだ出てないんじゃないかと思って寄ったんだけど正解だった」と笑い、少しだけ驚いていた私をエレベーターホールへと促した。
いつもは会社を出る前に連絡をするから、私からのメッセージがないことでまだ社内にいることを察してくれたんだろうけれど、わざわざ別の階にあるうちの部署に立ち寄ってくれたことが嬉しかった。
素直に喜んでお礼を言う私に、優しい笑みが返される。
「お店の場所わかる?」
「さっき、二宮に電話して詳しく教えてもらったから大丈夫」
「さすが多恵。頼りになります」
「私も行ったことがないから電話しておいてよかった。二宮はもう着くみたいだったから、先に飲んでてって言ったんだけど」
「二宮くんなら待っててくれそうだよね」
「たぶんね。まぁ、ここから五分も掛からないし大丈夫よ」
帰り支度を済ませて営業部を出たところで、多恵と鉢合わせた。
彼女は、「莉緒もまだ出てないんじゃないかと思って寄ったんだけど正解だった」と笑い、少しだけ驚いていた私をエレベーターホールへと促した。
いつもは会社を出る前に連絡をするから、私からのメッセージがないことでまだ社内にいることを察してくれたんだろうけれど、わざわざ別の階にあるうちの部署に立ち寄ってくれたことが嬉しかった。
素直に喜んでお礼を言う私に、優しい笑みが返される。
「お店の場所わかる?」
「さっき、二宮に電話して詳しく教えてもらったから大丈夫」
「さすが多恵。頼りになります」
「私も行ったことがないから電話しておいてよかった。二宮はもう着くみたいだったから、先に飲んでてって言ったんだけど」
「二宮くんなら待っててくれそうだよね」
「たぶんね。まぁ、ここから五分も掛からないし大丈夫よ」



