「青山さん」
「あ、おかえりなさい」
「ただいま」
定時直前に不意に声を掛けてきたのは二宮くんで、外回りから帰ってきたばかりの彼に笑顔で応えた。
なにか業務連絡でもあるのかと思ったけれど、少しだけ距離が縮められた唇から零されたのは、まったく違うことだった。
「今日、大丈夫だよね? 終わりそう?」
周りを気にしながら声を潜めた二宮くんに微笑みながら頷くと、満面の笑みが返ってきた。
この笑顔に喜ぶ女子はたくさんいるんだよね、なんて考えながら口を開く。
「多恵も定時は過ぎるみたいだけど、大丈夫だって。私ももう少し掛かるけど、予約の時間には間に合うよ」
「俺はそろそろ終われそうだから、先に行ってるね」
「うん。二宮くんのおすすめのお店、楽しみにしてるね」
周囲に怪しまれない程度に会話を交わすと、二宮くんはデスクに戻っていった。
彼はもう今日の仕事は終えているらしく、パソコンを立ち上げる気配はない。
「あ、おかえりなさい」
「ただいま」
定時直前に不意に声を掛けてきたのは二宮くんで、外回りから帰ってきたばかりの彼に笑顔で応えた。
なにか業務連絡でもあるのかと思ったけれど、少しだけ距離が縮められた唇から零されたのは、まったく違うことだった。
「今日、大丈夫だよね? 終わりそう?」
周りを気にしながら声を潜めた二宮くんに微笑みながら頷くと、満面の笑みが返ってきた。
この笑顔に喜ぶ女子はたくさんいるんだよね、なんて考えながら口を開く。
「多恵も定時は過ぎるみたいだけど、大丈夫だって。私ももう少し掛かるけど、予約の時間には間に合うよ」
「俺はそろそろ終われそうだから、先に行ってるね」
「うん。二宮くんのおすすめのお店、楽しみにしてるね」
周囲に怪しまれない程度に会話を交わすと、二宮くんはデスクに戻っていった。
彼はもう今日の仕事は終えているらしく、パソコンを立ち上げる気配はない。



