あの時、ぬっと現れたアデルが
青い閃光からシュナインを庇うように
帰城していた。

シュナインは実体は城に置いたまま、
意識のみを飛ばしていたのだが、思念体でも触れることもできれば、負傷もする。

「兄上お怪我は?!
どこも、、お怪我はございませんか?!」
シュナインの瞳とよく似た薄い緑の瞳が問いかける。
アデルは自分の傷は顧みず、兄皇子の無事を確認し終えるとやっと安堵の息を漏らした。

「ご無事で何よりです。」
顎までのなめらかな髪が揺れた。
アデルの背中はぱっくりと衣服が裂け、赤い染みを広げている。



シュナインは終始無言だ。