「何もおっしゃらないのですね。」 美しく豪華な室内。 たっぷりと毛足の長い真紅の絨毯が敷かれている。 金色の椅子に座る人物は、陶器のように美しい顔を少し傾けたのか、頭に載せた金銀の豪華な頭飾りがわずかに揺れた。表情は無い。 艶やかな黒地に金糸で模様の織り込まれた羽織、だが 先ほどまでとは違い、格段と豪華な装いに変わっている。 シュナインは城に戻っていた。 アデルの指示で楽隊がゆるやかな音楽を奏でる。