黒少女

「大田君、音楽の才能あるよ!きっといつか、プロになれると思う!」

「細井……ありがとう、俺…こんなに誰かに褒められたの初めてだ……」

俺は思わず、涙を流した。

それからも、細井は俺のギターを聴いてくれた。
その度に、細井は俺のことを褒めてくれた。

俺は、細井のためにギターを弾いているときが一番楽しくて仕方がなかった。

「ねえ」

ある日の休み時間、廊下でリンに呼び止められた。

「最近付き合い悪いじゃん、どうしたの?」

「ああ、ギターさ。
よく桃子に聴かせてるんだ」

「え…細井に…」

リンの顔色が曇る。

「みんなは俺の音楽の才能を否定するけど、桃子だけは俺のこと認めてくれるんだ」

「そんな…あいつとは罰ゲームで仕方なく付き合っているだけだって言ったじゃん!」