「そうだよ?」
……やっぱり。
「でもね、そんなことどうでもいい!って、思ったの。だって、わからなくたって、生きてけるから。そんなことを悩むより、蓮くんといたいって思ったから」
たしかに、誰かを好き、なんていう感情がわからなくても、問題ない。
だが、そう思ったと言うわりには、会わなかった。
「あ、こっこの出番だよ!」
最初の競技は一年の団体競技だったらしく、叶花はグラウンドに集中した。
今日の髪型もあって、幼く見えるのは言うまでもない。
あっという間に午前中の競技は終わり、昼食、昼休み……そして午後の部に入った。
午後の最初は応援合戦。
青、黄、赤の順で三分でパフォーマンスをする。
……やってられるか。
俺ははちまきをポケットに隠し、叶花のところに行く。
「蓮くん……サボリはよくない」
言われると思った。
だが、いかんせんやる気がない。
応援団側としても、そんなやつのせいで点数が下がるのも嫌だろうから、抜けてきただけだ。



