やばくて結構。
そのまま引いて、俺に近寄るな。
すると、またあいつのスマホが鳴った。
今度は電話らしい。
やつは立ち止まって電話に出た。
今のうちに逃げるか。
そして俺はさっさとインクと紙を買い、遠回りをして家に帰った。
「おかえり、蓮」
「……この時間にいるなんて珍しいな」
いつも夜中とかしかいないのに。
「新人の子が優秀でね。椿に、私たちに任せて、少しは帰って蓮といてやれって言われて」
「余計なお世話だな。須藤さんの中で俺はいくつなんだ」
そう返しながら、さっき買ったレシートを渡す。
母さんはそれを見て、財布からその金額を出してくれた。
「まだ十もないガキだったりしてね」
俺に金を渡した母さんは、台所に向かった。
……俺が、十もないガキか。
時の流れの感じ方の違いが現れたか。
「ところで母さん……なにしてんの」
「なにって、ご飯作ってる」
久しく母さんの手料理は食べてない。



