でも、そう決めつけるのはやめてくれ。
「いえ、友達です! 高城和真って言います」
こうなるからな。
それで、どうせ俺の話は聞かないんだろ。
「高城くんかあ。どことなく叶花ちゃんに似てるね、蓮」
……その名前を出さないでくれ。
「カナカって、蓮の彼女か? お前、彼女いんのか!?」
そいつはなぜか必死な形相で、俺に迫ってきた。
あー、面倒。
本当に面倒だ。
だから嫌なんだよ。
「母さん、インク買いに行ってくる」
「もうなくなったの? わかった。お金、後で渡すね」
そして俺は話題を強制終了させた。
「教えろよー。カナカって誰」
……ついて来るなよ。
いや、これは使えるか。
嘘をつこう。
「お前の言う通り、彼女だ。お前といるより、彼女といたいから、お前に時間を割く気はない」
すると、あいつは驚いたような顔をしていた。
それでいい。



