誰になんと言われようと、俺たちは俺たちだ。
「ふふ、蓮くんらしいね。かっこいい」
叶花だってかっこいいよ。
「そうかな?」
強く、美しい。
叶花ほどかっこいい女性、俺はほかに知らない。
「褒めてもなにもでないよ?」
なにも求めてない。
ただ、俺の隣にいてくるだけでいい。
「……それ、求めてる」
……これくらいいいだろ。
「もちろん」
……だったら、そのまま消えないでくれ。
「蓮くん、おバカさんだねえ。なんのためにアルバム渡したと思ってるの。消えないよ。ずっと」
……そうだな。
お前との思い出は消えないな。
すると、叶花は立ち上がり、緑一色のコスモス畑の中に入っていった。
そして振り向いた。
「蓮くん! 叶花と笑いましょ! せーの、にー!」
そんな明るい声を聞いたのに、俺は静かにアルバムに涙を落とし続けた。
了