途中理解不能な内容に入ったけど、最後の言葉に泣かされた。
なんだよ。
自分のために使えって。
第一、叶花のために使った覚えはないのに。
それに、最後の『またね』ってなんだよ。
なんて思ったところで、もうどうしようもない。
誰かに言ったって無駄だし、どうしたって叶花にはもう伝わらないんだ。
いいよ。
たしかに叶花の言葉だったし。
俺は便箋を封筒に戻し、また最初からアルバムを見た。
何度も、何度も見た。
自分の撮った写真なんて見てられなかったけど、叶花の言葉を、覚えるまで読んだ。
何度も読んだことで、一箇所違和感を覚えた。
最後のアルバムの、一番最後の写真。
ほかの写真はしっかりと固定されてるのに、その一枚だけが今にも落ちそうだった。
俺はその写真を取り出し、裏を見てみた。
『どの景色も、蓮くんの隣で見たかったな』
それが、叶花の本音だった。
それが一番、俺に響いたし、涙腺を刺激した。
俺はその写真を元に戻さず、自分の手帳に挟んで持ち歩くことにした。