「さくらがいなくなったから死ぬって、バカですか」



厳しい言葉とは裏腹に、こっこは泣きそうな顔をしている。



どうしてわかったんだ、とは言わなかった。



昨日の今日で、誰だって理由は思いついただろう。



「でも、もう俺には……」


「先輩の居場所が、さくらの隣しかなかったって、誰が決めたんですか」



誰が決めたって……


俺がそう思うから、としか言いようがない。



「俺だ、なんて言わないでくださいね。先輩は、家に居場所がなかったんですか? 学校に居場所がなかったんですか?」



質問というより、尋問という感じだった。



なぜ責められてるのか、理解不能だ。



「学校に関しては、叶花がいたから」



こっこの言い方に苛立ち、少し強めに言ってしまった。



だけど、こっこは怯まなかった。



「だからって、全部さくらがいたなんて言わないでください。たしかに、さくらといたからできた関係もあるかもしれません。だけど、それは先輩自身の力でもあるんです」