俺は病院だということを忘れ、泣き叫んだ。
周りの声なんて、一切聞こえない。
ただ、俺自身の叫び声が脳内を占領した。
それからどうしたのかなんて、記憶にない。
気付けば自宅のベッドの上にいた。
俺は起き上がることも、寝返りをすることもなく、天井を見つめた。
そんなことをしたって、なにも変わらない。
だけど、ほかになにをしろって言うんだ。
俺には、もう……
「蓮……?」
目頭が熱くなってきたってときに、ドアが開いた。
母さんが心配そうに、顔を覗かせている。
「起きてる?」
「……ああ」
そう答えるけど、俺は動かない。
いや、動けない。
体が異様に重い。
「ご飯、軽めのもの作ったけど……食べれそう?」
「ごめん、無理」
「そう……」
母さんはなにか言いたそうにしたけど、言ってこなかった。
そしてそのまま、ドアを閉めた。
部屋が一気に暗闇に包まれる。