その日の夜、叶花のベッドの周りにはたくさんの人が集まった。
結斗さんや理香子さんはもちろん、先輩やあいつ、彼女にこっこ。
叶花が学校に通ったときに知り合った人、全員が集まっていた。
「櫻木さん……」
「叶花ちゃん、嘘でしょ……?」
「カナカは元気な子じゃなかったのかよ……なあ、蓮!」
三人それぞれの反応があった。
信じられないという顔をした先輩と彼女。
信じられないあまり、俺に八つ当たりするあいつ。
「ねえ、浅賀くん……叶花ちゃんが学校を辞めたのって、病気だったから……?」
「……うん」
俺はあいつに襟を掴まれたまま、彼女の質問に答えた。
そのせいなのか、空気は余計に重くなる。
「私、叶花ちゃんに酷いこと言っちゃった……」
彼女はそう言いながら、目に涙を浮かべた。
酷いこと。
そういえば、文化祭のとき叶花がそんなことを言ってたな。
「叶花ちゃん……」



