俺は持ってきていた写真を、叶花に渡す。
「これは?」
「昨日、スポーツ公園でこっこと偶然会って。これは、こっこが撮った写真」
叶花は俺の話を聞きながら、両手を上げて写真を一枚一枚見ていく。
「蓮くん、遊んだの?」
「こっこが俺に子守りを押し付けてきたんだよ」
……待てよ。
その質問が来たってことは。
「蓮くん、コケてる」
……その写真、抜くのを忘れてた。
「笑いたきゃ笑え」
もう自棄だった。
叶花は笑いながら、写真を見終えた。
「蓮くんと一緒に写ってたのが、こっこの妹?」
「ああ」
「可愛いね」
俺は返された写真を改めて見る。
たしかに、満面の笑みで写ってる少女は可愛かった。
「名前……は、覚えてないか」
「いや、覚えてる。たしか……アキホ」
すると、叶花は目を見開いた。
そんなに驚くところか。
「一人称が名前だったんで、覚えたんだ」
「そっか、昔の私みたい」
そして俺たちは時間が許される限り、昔話をした。