「カレンくん、もう一回!」
少女は俺の下に敷いていた座布団を持ち、階段に向かって走り出した。
そのとき、俺のスマホにメッセージが届いた、という通知が来た。
ポケットからスマホを取り出し、電源をつける。
予想した通り、理香子さんからだった。
トーク画面を開くと、頭が真っ白になった。
「カレンくん?」
「先輩、なにかあったんですか?」
俺がついて来きてなかったから戻ってきた姉妹は、首を傾げている。
「……叶花が、倒れて……病院に運ばれたらしい」
「倒れたって、大丈夫なんですか!? 今から病院に……!」
こっこが動揺してくれたおかげで、俺は少し落ち着いた。
「その子を連れて、病院には行けないだろ」
俺はまだ首を傾げ、理解出来てない少女を見た。
こっこの不安が伝わったのか、泣きそうになっている。
「……先輩は行くんですよね?」
「ああ」
「じゃあ、連絡ください」
こっこは俺にカメラを返すと、少女の腕を引いて帰っていった。