「じゃあ……」
「おねーちゃん、秋穂、遊びたい!」
すると、こっこがまた質問をしようとしたら、少女は我慢できなくなったのか、こっこの膝から降りた。
こっこは少女を見つめたのち、俺を指さした。
「このお兄ちゃんが一緒に遊んでくれるって」
……は?
「ホント!?」
少女は勢いよく俺を見てきた。
……嫌いなんだよ、その輝いた目。
本当、叶花そっくりだ。
「おにーちゃん、長いすべり台、行こ!」
少女は純粋にこっこの言葉を信じ、俺の手を引っ張った。
力は弱いから、俺が立とうとしない限り、この場を動くことはないが。
「ほら、先輩。秋穂は行く気ですよ」
隣からの圧がひどい。
「こっこが連れてきたんだろ。俺は叶花と約束があるんだ」
「だったら、さくらが来るまででいいです」
……勘弁してくれよ。
ゆっくりと目線だけ少女に向ける。
まだ諦めてないらしい。
「……カメラ、持ってて」



