頭が狂いそうになる。



俺は彼女の言うことを否定したかったけど、叶花の目が、黙れと言っていた。



「あのね、亜美さん。人がどう思ってるかは決めつけちゃダメだよ」



すると、彼女は叶花を睨んだ。



それでも、叶花は物怖じしない。


真っ直ぐ彼女を見つめている。



「……でもそうでしょ」



彼女から笑顔が消えた。


叶花の言い分に腹立ったのか、笑顔を作るのをやめたらしい。



「んー……お兄ちゃんはわからないね。でも、蓮くんは違う。違うから、怒ってる」



彼女は叶花を睨む、その目で俺を見てきた。



……相当の迫力がある。


よく微動だにせず言い返せたな、叶花。



「……そう。じゃあ、君のことはいい」



……そのままこの話題も終わらせてくれ。


いやむしろ、出てってくれ。



「亜美さんが勝手なこと言ったから、今度は私が探偵するね」



……叶花が言うと、どれもふざけているように聞こえてしまう。


彼女も、理解不能……というか、不快そうな顔をしている。



「亜美さんはお兄ちゃんが好き。アプローチしたくて、私の病室に来た。あなたの妹も心配できる私、素敵でしょ？てとこかな」