だから、頭の中で見舞いに来てくれる人は友達ってなってるのか。
「……トモダチだから来た。これでいいか」
すると、引くくらいの笑顔になった。
「椿ちゃん、あのね! 叶花にお友達ができたの! あさかれんくんっていうの!」
隣に立っている看護師に、興奮気味に言った。
……名前、ひらがなで言うなよ。
なんて思っても、俺自身漢字が書けるわけじゃないから、言えないけど。
「浅賀って、瞳の?」
「そ。私の息子。可愛げないでしょー?」
母さんは俺の頭を何度か叩いた。
いつの間に入ってたんだ。
「可哀想に、瞳に似たのね」
「どういう意味よ」
そう言って、俺たち三人を挟んで睨み合いを始めた母さんと椿さん。
「あのね、れんくん。瞳ちゃんと椿ちゃん、仲がいいの!」
あいつは俺にそう教えてくれた。
……空気を読まないってすごいな。
尊敬するよ。
「叶花ね、瞳ちゃんと椿ちゃんくらい、れんくんと仲良くなりたいの!」