イチャついた？
俺と叶花が？
どこが。
「本当にわかってないみたいだ」
よく見れば、叶花も首を傾げていた。
まあ、そうだよな。
分かってたら、俺に食べさすなんてことはしない。
……て、こう言ってる時点で、俺はなんであんなふうに言われたかはわかってるってことになるか。
「さくら、私にも」
すると、こっこは一口分だけ残して、叶花にフォークを渡した。
叶花はそれを受け取り、こっこに差し出す。
「こっこ、あーん」
こっこはそれを食べ、満足そうにした。
「……お兄ちゃんもする？」
いや、うん。
そういうことじゃないと思う。
「ううん、もう食べちゃったから」
……いいのか、それで。
「なんだ、櫻木、食べさせてほしかったんだ」
「永瀬さん!? 違うよ!?」
「へー？」
……二人の世界に入ってしまった。
俺たちは顔を見合せ、苦笑した。
そして妙ではあったが、俺の誕生会が終わった。
