なんなんだよ……
「……食えばいいんだろ」
俺は腹くくって、出されたケーキを口に含んだ。
あー、甘い。
食うんじゃなかった。
「叶花」
俺はフォークを奪い、叶花が俺にしたのと同じように、一口分取って向ける。
そして叶花は躊躇うことなく、それを食べた。
「美味しい! て、食べちゃったじゃん!」
……バカだな。
「ねえ、櫻木……この二人付き合ってたの?」
「違うはずだけど……カップルにしか見えないよね」
なぜそうなる。
ただ食べさせただけだぞ。
「さてと。おばさんたちはいろんな意味でお腹いっぱいになったし、仕事があるから、そろそろ行くね」
そう言って、母さんと須藤さんは皿を置いて出ていった。
「ねえ、蓮くん。いろんな意味ってなに?」
「さあ。俺に聞くなよ」
俺だって意味わかってないんだから。
「どうやら、イチャついてた自覚がないみたいだね」