俺とおじさんは顔を見合わせた。
そして、吹き出してしまった。
「お姫様が目を覚ましたみたいだ」
おじさんはさっきの不安の顔が嘘と思えるくらい、明るい顔をしていた。
そして病室に入ると、あいつが大泣きしていた。
なんでも素直に感情を表すやつだな。
俺がそう感じた通りで、おじさんを見た瞬間笑った。
今にも飛びつきそうだったけど、隣にいた看護師に抑えられた。
「れんくんもいる! れんくん、びょーき?」
どうしてそうなる。
「違うよ。蓮くんは、カナのお見舞いに来てくれたんだ」
……連れてきたの間違いだろ。
なんて言わないけど。
これからここに来るようになるし、訂正するのも面倒だった。
「れんくん、叶花のお友達だ!」
「友達になった覚えはない」
「じゃあどうして来たの? みんな、お友達だからお見舞いに来てるよ?」
……そうか、こいつの周りではそういうことはよくあるよな。