「蓮くん、飲み物買ってきて!」
結斗さんが杉崎さんに呼ばれ、病室を出たあと、叶花は俺にそんなことを頼んできた。
……結斗さんに頼めばよかったのに。
と思う反面、こっこになにか話があるんだろうとも思った。
こうなった以上、こっこに真実を言わなければならないだろうし。
「叶花はりんごでいいか?」
「うん! こっこ、なに飲む?」
「……お茶で」
「了解」
俺は財布と本を持って、自販機に向かった。
叶花、なにを話すつもりなんだろう。
俺の知る限り、病気のこと、年のことを話した今、これ以上なにを……
もしかして、もう学校に行けないとか?
母さんが言ってた気がする。
倒れたら、また入院生活って。
それは叶花本人も、いつ入院生活に戻るかわからないって言ってたから、可能性はある。
それとも、女同士じゃなきゃ話せないことか。
……ここで恋愛トークしか出てこなくて、あの二人でそれをするとは思えないのが、なんだか失礼な気がしてならない。



