あれから一週間が経った。



理香子さんは無事退院し、仕事にも復帰した。



そして今日は。



「花火だー!」



叶花が待ちに待った花火をする。



メンバーは俺、叶花、こっこ、結斗さん。


先輩は受験勉強、あの子は美術部で文化祭の準備があって来られないらしい。



「叶花ちゃん、夜だから静かにね」


「そうだった」



叶花は結斗さんに注意され、自分の口を両手で塞いだ。



朝だから静かにしろ、と病院で子供たちに注意していたやつの行動とは思えない。



花火をするのは、叶花の家の近くにある公園。


そして浴衣を着るとごねていたが、こっこが花火をするくらいで着なくていい、と言ってくれて、諦めてもらった。



「本格的にさくらが子供に見えますね」



結斗さんとのやり取りを冷めた目で見ながら、こっこが呟いた。



「君がこっこちゃんだよね? 僕は櫻木結斗。叶花ちゃんの義兄なんだ」


「古藤小夏です」