「蓮くんのお母さん!」
すると、こっこが俺のほうを見てきた。
……なにが言いたい。
「あのね、瞳ちゃんは看護師さんなの」
「……なるほど」
そのなるほどに、なんの意味があるのか気になったが、あえて聞かないでおく。
そして俺たちはそう多くない出店を周って腹を満たし、和太鼓だったり、総踊りを見た。
「太鼓って、かっこいいんだね……!」
「さくらには無理」
「どうして!?」
「リズム感なさそうだから」
二人のそんなやり取りを見ているうちに、花火が上がった。
公民館の祭りにしては、結構大きく、見応えがあった。
「あ、そうだ! 蓮くんとこっこ、連絡先交換して? 今日、ものすごく困ったから!」
そう言えばそうだった。
俺たちはトークアプリで友達登録をした。
「これでいつでもこっこと遊べるね!」
……目的はそれだったのか。
「誘いはほどほどにしてね」
こうしてこっこと別れ、俺たちは母さんに迎えに来てもらった。