こういうときのこっこの言葉は、本当に胸に突き刺さる。
「あのさくらが勉強についていけないからっていう理由で、学校に来なくなるわけないでしょう」
「……ですよね」
最初はまあ、騙されるだろうが、徐々に違和感があったはず。
あんなに学校に来ることだったり、行事ごとだったりを楽しんでるやつが、勉強ができないからなんて理由で来なくなるわけない。
「そうだ、浅賀先輩。さくらって……」
こっこのその言葉に被って、ドアが大きな音で開けられた。
「こっこ!」
叶花が戻ってきた。
……びっくりした。
音もそうだが、もっと遅くなると思っていた。
「隠しごとして、ごめんなさい!」
そして、叶花はその場で頭を下げた。
こっこは立ち上がり、叶花の体を起こす。
「安心してください。どうして隠していたか、ちゃんとわかってますから。私のほうこそ、ごめんなさい。あんなふうに言ったり、タメ口で話したりして」



