「明後日ある、公民館祭り!」



……またいい具合のところを選んだな。



ここで、隣のS市の大きな祭りを選んでくれれば、叶花の体の負担になると理由をつけて逃げられた。


だが、公民館祭りとなると、規模は小さいし、負担はおそらくそこまでない。



つまり、俺がなにかしらの理由を言って行く気を失くすことができない。



「ねえ、蓮くん! ダメ?」



俺の行く気がないから、なんていう理由が通用するとは一切思わない。



「わかった、行こう」



……結局、叶花のわがままを通してしまうあたり、甘いというかなんというか。



翔太さんや母さんに対して抱いた感情を、今自分に抱くとは思わなかったが、これはこれで面白いと思ってしまう。



こうさせてしまうのは、叶花の性格ゆえなのか。



「やった! こっこは行かない?」



すると、叶花はターゲットを増やした。



「私、祭り嫌いだから」