叶花はとある生徒のところに行き、なにかを話している。


戻ってくると、手にはカメラがある。



……まさか。



「撮ってきて!」



……言うと思った。



「あのな。人のカメラは使えな」


「いいって!」


「もうすぐ終わ」


「じゃあ急がなきゃ!」



……人の話を聞けよ!



これ以上の言い合いは無駄だと思い、そのカメラを受け取って、こっこが見える位置に急ぐ。


そして数枚の写真を撮り、叶花のところに戻ろうとした。



「先輩、なにしてるんですか」



どうやらバレていたらしい。



演技を終えたこっこが、顔を赤くして俺の腕を掴んでいる。



「叶花がこっこの写真を撮ってこいって」


「なんでもさくらの言いなりなんですね」



……こっこ、言葉の暴力って知ってるか。



驚くほど、胸に突き刺さった。



「さくらはどこに?」


「放送席の横」



そして俺たちは叶花の元に向かった。