「ここは1日が永遠と繰り返されているってさっき説明したよな?」

「うん」

「あれ、生き物もなんだよ」

「うんうん。だから私は死んでも生きてる。それも聞いたよ」


難しそうに困ったように話す三月ウサギにうんうんと相槌を打つ。


「あーで、だ。その中で自由に1日を過ごせる奴と決められた動きしかできない奴がいる」

「へ?」


しかし今度の話にはうんうんと相槌を打つことが出来ずに眉間にシワを寄せた。


どういうことだ?


「生き物は生きてるから自由なのは当たり前でしょ?」

「そうじゃないやつもいるんだよ」


首を傾げていると初めてこちらに振り向いて「ちょうどいい時間だし見た方が早いだろう」と三月ウサギが今来た道を私の腕を取ってずんずんと歩き出した。

つまり逆走だ。


「……」


疑問に思いながらも答えがあるのならと黙って三月ウサギに腕を引かれる。

そして連れて来られた場所には……


「急げ!もうすぐ女王様が通られる時間だ!」

「わかっている!ああ!人手が足りない!」

「このままでは間に合わないぞ!」


3人の大きなリアルトランプの服を来た男の人達がせっせと白い薔薇に赤いペンキを塗って赤い薔薇を人工的に作る姿があった。