「簡単に言えば白ウサギにはめられた。助けるフリをして連れて来られた場所が女王のテリトリー内だった」

「……」


つまり白ウサギは女王様の味方ってこと?

疑問に思って昨日の女王様の白ウサギについての言葉を思い出す。


『残念だけれど、私にもわからないわ。アレはいつも気まぐれで同じ所に留まらない。招待状を出そうにも出せないのが現状なの』


困ったようにそう言っていた女王様。招待状を出せれないほどどこにいるかわからない人が味方なのだろうか?

それともこの世界の絶対である女王様に白ウサギがたまたま従った、とか。


でも……


「白ウサギは信じるに値するから着いて行ったのよね?」


そうでなくてはあの状況で簡単に着いていくはずがない。

だってあそこにはこの作戦を成功させた聡明な帽子屋がいたのだから。


「そうだ。アイツは俺たちと同じで自由だからな。何よりそう帽子屋が判断した」

「自由?」


私の質問に答えた三月ウサギからまた疑問が生まれたのでその疑問を口にする。

そんな〝自由〟というワードに疑問を持った私の様子を見て「あー、これもわかんねぇのか……」とめんどくさそうに三月ウサギが呟いた。

仕方ないではないか。違う世界から来てるんだぞ。わからないことはわからない。だってここは絵本の世界と同じようでまるで違う世界だから。