「……ん」


辺りはまだ暗いがもうすぐ朝だろう。

そう思っていつものように体を起こして朝の支度を始めようとした。

したのだが。


「……っ!」


目の前に広がるのは先程夢で見たのと同じ赤。

先程のこともありこの赤が一瞬で血の赤だと理解する。


何で現実の世界でもこんな赤が広がっているの?

そもそもこれは誰の血?


「アリス」


パニックになっている私の膝の上に可愛らしい白いウサギがちょこんと現れる。

そのウサギが身にまとっているのはオシャレでハイセンスなシャツ。

そのシャツに見覚えがあった。


「白ウサギ?」


人間の姿はしていないものの、私の膝上にいるのはおそらくあの白ウサギ。

だって夢でもそうだったから。