「かはっ」


全身が熱いのか、痛いのか。

感覚がわからない。

ただ女王様に着せられた赤い服よりももっと濃い赤が目の前いっぱいに広がる。


嘘でしょ、私、死ぬの?


よくわからない状況の中でそれだけは何故かわかってしまう。


「直撃だ。もうアリスはダメだろう」


私の目の前に座って私の様子を見るなり、帽子屋が冷静にそう言った。


え、私死にそうなんだよ。

何でそんなに冷静でいられるの。


「今日はもう終わりだね。おやすみ、アリス」


もううまく息さえもできない私にいつものように帽子屋がニッコリと笑いかける。


え?どうして?


疑問に思っても私は声を出すこともできない。


そして私は息絶えた。