「な、泣かないで、アリス」


ペロッ


涙が何故か止まらない私の頬を心配そうにヤマネが舐める。


ん?舐める?



「ヤ、ヤマネっ!?へ!?」


突然のヤマネの行動に私は驚きと恥ずかしさで頬を赤く染め叫んだ。

泣いている所ではない。


「なっ、何で」


「え?何でって……泣いていたから?」


口をパクパクしている私の頬をもう一度不思議そうにヤマネがペロリと舐める。


そして私の涙が引っ込んでいる様子を見て「うん、もう大丈夫だね」と安心したように微笑んだ。


別の意味で大丈夫じゃないことを伝えたいのだが、どうすればいいのだろうか。