「ありがとう、チェシャ猫」 「いいよいいよ。きっと帽子屋ならアリスが知りたいこと教えてくれるだろうし、白ウサギの行方もわかるかもしれないよ」 お礼を口にする私にチェシャ猫がやっぱりニンマリ笑う。 「よし、そうと決まれば早速お茶会へ行こう」 チェシャ猫はそう言うとやっと腰から手を離したので私はその場から立った。 そしてチェシャ猫も後を追うように立つと「俺も一緒に行くから。こっちだよ」と言い、私の手を取って歩き出した。