「た、高い高い高いっ!」



親指と人差し指だけで持ち上げられてしまった体は不安定な上に今にも下へ落とされそうでその高さに恐怖心を覚えどんどん顔から血の気が引いていく。



「あははっ、面白ーい」


怖がる私なんてよそに、いや、むしろその姿を見て愉快そうにチェシャ猫が笑う。


なんてドSな猫なんだ!



「おっ、降ろしてよ!!それかしっかり私のこと持って!!」



宙ぶらりんの足がぶらぶらと揺れる様を見つめながらチェシャ猫に私は必死で訴える。


が、その姿が余計滑稽だったのだろう。



「嫌。君は今日から俺の人形だから俺の好きにする」



と何とも楽しそうに否定された。

その楽しそうな表情は例えるなら新しいおもちゃを与えられた子どものようだ。


人形じゃないってさっきも言ったのに!!